卒業生の声

内藤蓮大郎君(2011年生まれ)

内藤親子にインタビュー形式でアテネでの思い出をお話してもらいました。

内藤蓮大郎君は、小5の8月にアテネに通い始めました。
年長から小5の6月までは親御さんの仕事の関係でアメリカにいて、コロナ禍だったのでアメリカでの日本語学校がお休みになり、1年ほど日本語の勉強に触れていない中での日本への帰国でした。

始まりは読書の個別指導(90分)から。
通常の読書の授業で行っている本の音読と読書感想文に加えて、漢字を覚えてくるのを宿題にして、漢字の確認テストも行いました。
帰国子女の生徒さんに教えるのは初めてだったので、蓮大郎君も我々教師も初めの方は四苦八苦していたと記憶しています。
3か月くらい経った頃に、学校で使っている漢字ドリルで勉強する方法が一番いいことに気がつきました。
1年生から4年生までの過去の漢字ドリルを購入してもらい、振り返りを行います。
音読と感想文のテキストも、漢字を読むのが苦手な蓮大郎君にとって読みやすく、かつ面白い本を見つけることが出来ました。

学校の算数も補強したいということで、数学の個別指導も追加で行うことになります。
蓮大郎君の算数の勉強を見ていた塾長が、地元の中学に進学するのではなく、国際系の中学に進学する方が良いのではないかと言いました。講師の中で話し合って、その旨を親御さんに伝えることにしました。
親御さんはこの提案に前向きで、国際系の学校を調べるうちに、蓮大郎君が同志社国際中学校を気に入り、同志社国際を目指すことになりました。
そこから受験を見据えながらも、こつこつと読書と数学の勉強を積み上げ、同志社国際中学に合格しました。

私たちにとって、蓮大郎君は、思い出深い生徒です。
初めての帰国子女の方向けの授業、色々試しながら蓮大郎君の反応や成果を見て、良い方法を探っていきました。
国際系の中学を勧めるときは、塾として出しゃばりすぎではないかと内心不安もいっぱいでした。
そんな蓮大郎君は、現在(2024年時点)中学1年生です。
蓮大郎君とお母さんに、アテネの思い出を振り返ったインタビューをお願いしました。


◆内藤君への質問

―どういうところを頑張りたくて、アテネに通っていましたか?
海外にいて英語を使っていて、漢字や日本語に慣れていなかったので、アテネに通って日本語に慣れていくため。

―その頑張りたかったところは、アテネに通ってどう変わりましたか?
日本語の文章を書くことが一番変わった。
通っていないよりは相当慣れた。初めはあまり書けなかったけれど、最後の方はたくさん(感想文2枚程度)書けるようになった。

―アテネに入る前(アメリカから日本に戻ってきたばかりの小5の7月)と、アテネに通っていた頃(小5の8月~小6の3月)との違いはどうでしたか?
2022年の6月に日本に戻ってきて、最初は学校で教科書を読む(音読)する時漢字が読めなくて大変だった。アテネに通ってだんだん日本語が読めるようになってきて、最後の方も分からない漢字はあったけれど、たいぶ読めるようになった。

―アテネに通い始めた頃(小5の8月)から、最後の方、小6の3月ごろの気持ちの変化を教えてください
最初は、日本語が分かってなくて先生も大変かなと思ったけど、楽しく勉強できた。

―アテネに通っていて楽しかったところを教えてください
本を読むのが楽しかった。特に、恐竜の本(ロスト・ワールド)が楽しかった。

―アテネに通っていて大変だったことは何ですか?
特にないけど、学校でも必死で疲れていて、体が疲れていたので、たまにアテネに通うのが辛かった。

―アテネの授業で一番印象に残っているのは何ですか?
感想文を書いたこと。自分が思っていることをいっぱい書けて良かった。

―国際系の学校へ通うのはどうかという話が出た時、どんな気持ちでしたか?
楽しそうだなとわくわくした。

―国際系の学校について調べる中で、今の中学を知って、そこを目指すと決めた時はどんな気持ちでしたか?
日本語が苦手でも通えるのがいいなと思った。似た経験をした人がいっぱいいいて、友達をいっぱい作れそうで良かった。

―アテネでの授業(漢字、読書、数学、面接対策)はどうでしたか?
(読書の話は前の質問でしたので、他の内容について聞きました)
算数は、授業だけじゃ頭に入らないからアテネで復習できたのは良かった。
面接は、コツとか習ったのが使えた。

―アテネに通っていて良かったことは何ですか?
日本語をしゃべれるようになって、(学校で)友達を作れて良かった。

―今の学校での生活はどうですか?
友だちもいっぱいいて、授業も全教科分かるから勉強が楽しい。

―中学で学校や勉強に対する気持ちに変化はありますか?あるとしたらどう変わりましたか?
楽しみながら勉強できるように変わった。

―今の学校でどんな勉強をして、将来どんな風になりたいですか?
知らない人でもにぎやかに話せたり、簡単に友達が作れる人になりたい。

―英語も日本語も話せるから世界中の人と友達になれますね。話す方が好き?聞く方が好き?
聞く方が好き。

―勉強面ではどうですか?
もっと英語力を上げたい。小学校でやっていない技術にも取り組みたい。

―好きな教科は?
数学。答えが分かると気持ちいい。
答えが分からなくても、やり方が分かってなるほど!となると楽しいし、ずっと考えていて分かった時もめっちゃ気持ちいい。

―ありがとうございました。



◆親御さんへの質問

―アテネを知ったきっかけと、どんな悩みを抱え、どんな思いがあってアテネを選ばれましたか?
知り合いからアテネは手厚いと聞いていて、ホームページの内容を見て、蓮大郎に必要なものがこの塾には全てあると思い申し込みをしました。
悩みとしては、コロナの関係で、日本語の補習校が1年休みだったので、相当苦労しました。
蓮大郎は苦労した内容も言葉にできない状態で、何が分かっていて何が分かっていないのかも分からなくて、ふわっとなんとなく分かる状況に慣れていました。
きっちり理解できないことに危機感を覚えていました。

―アテネにお子さんが通い始めて、意外だったことがあれば教えてください。
知り合いから手厚いとは聞いていたのですが、アテネは個人を見て、トライアルアンドエラーで、その子の様子を見ながら、子どもに合った授業をしようという姿勢が感じられました。

―アテネに通っていて、最初の方はアテネ側も、親もお子さんも手探り状態だったかと思います。そこから学校の漢字ワークを使い、勉強方法が安定したと思っています。最初の四苦八苦していた状況から、卒業する小6の3月までの気持ちの変化を教えてください。
学校の教材を使ったのは、良かったと思っています。
蓮大郎は、学校以外の勉強を嫌がって、宿題以外の勉強をやりたがらなかったのですが、学校の教材を使うことで、学校でも役に立っている勉強をしている、とアテネの勉強が自分ごとになったと思っています。
余計な勉強をやらされている感じが少なかったのだと思います。

―通い始めてしばらく経って、国際系の中学校への進学をアテネから勧められた時、どう思いましたか?
11月に先生からお話をいただいて、その1か月後の12月に同志社国際中学の最後のオープンスクールに行っていました。
お話を頂いてから怒涛の勢いで進んでいったのを覚えています。
オープンスクールでは、蓮大郎は自分で考えた質問をたくさんしていて、蓮大郎も学校をさらに気に入ったようでした。

―アテネに通っていて、今の中学校を受けると決まってから、小6の3月まで、親御さんの気持ちの面、お子さんとの付き合い方でどのような変化がありましたか?
受験を通して、子育てに対する意識は大きく変わりました。
受験に必要な資格は英検準1級で、受験科目は面接だけだったのですが、その面接練習をする過程で、家族の意識が変わりました。 親子でお互いとことん自己分析をして、言葉で説明することを行いました。
今まで特に方針などは無かったのですが、教育方針、モットー、子育てする上で意識したことなど、親としても子育てについて改めて考えさせられた機会でした。
日本語が苦手な蓮大郎にとって、面接のための自己分析と言語化は、苦しいものだったと思いますが、親子の絆や信頼関係が深まったと思っています。

―面接対策の時に考えたモットーについて、お伺いしても良いですか?
はい。豊かな人間性を育てること。思いやりのある人に育てること。
心身ともに健康であって、得意や興味のあることをとことん追求させること。
まずは自分を大切にすること。
自分を大切にする感覚が十分に分かったら、自分を大切にするのと同じように相手を大切にすることです。

―子育てをする上で意識したことも伺っても良いですか?
好きなものに絡めて、例え話をたくさんしました。
伝わることが目的なので、手段は問わなかったですね。
大好きな車の話に絡めたり、レーサーの話に絡めたりしました。
蓮大郎にも、言葉にしたとしても、伝わっていなかったら言っていないのと一緒という話をよくしています。

(―なんのために、どういう理由で、と目的を常に意識することと、伝わってなかったら言っていないのと一緒、というお話が身に沁みました)

―今振り返ると、アテネにお子さんが通ったことで、どんな変化があったなと思いますか?
大げさではなく、人生が変わりました。

―行動をすると関係が壊れるリスクがあると常に思っていて、正直国際系の学校を勧めるのも出しゃばりすぎではないか、関係性を壊すのではないかと恐怖がありましたが、そう言っていただけて有難いです。
蓮大郎の性格を見て、こっちの学校の方が合っている、と思ってくれたのだなと気持ちが伝わってきました。話をいただいた時、蓮大郎の幸せの度合いや量を考えた時に、その選択がベストだなとも思いました。
勉強だけでなく、礼儀や上下関係も分かっているようで分かっていない状況だったので、蓮大郎はコンプレックスを抱きやすい状態でした。今の学校は、劣等感を抱かずに苦手な教科は救ってくれますし、英語は一番上のクラスで手ごたえのある授業を受けられています。

―アテネを通してお母さんが学んだことや気づいたことはありますか?
子どもの勉強に対する精神状態を健全にキープする方法を学べたのが良かったなと思います。
アテネでは模試や試験が無いため、結果を見て神経を尖らせたり、他の子と比較することが無かったのが、我が家には合っていたと思います。
漢字や日本語を小学生のうちにどうにかしなければという焦りもありましたが、アテネでは他と比べるような要素が無かったので、だんだん心にゆとりを持って子どもの勉強に向き合うことができるようになってきました。
子ども自身も、今の自分に素直に向き合うことができ、前向きに勉強を頑張ることが出来ました。その環境が励みになっていたように思います。
親より先生の方が蓮大郎の勉強のことを考えて下さっている時があったので、私もちゃんとケアしないとだめだなと思ったことが気づきでした。
先生との電話がヒントになることもありました。
愚痴を聞いてもらったりして、健全な精神状態が保てていましたし、先生と連携が取れていたと思います。

―アテネに通っていて助かったことはどんなところですか?
個別指導の時間が90分と長かったので、勉強の姿勢が身につきました。
長時間机に座っていられますし、すんなり勉強する習慣ができたなと思います。
宿題を多く出さないのも無理をさせないので、勉強を嫌にならなくて良かったなと思います。

―アテネという塾の特徴、他と違うところがあれば教えてください。
アインシュタインの言葉で、「愚行とは、同じことをして違う結果を期待すること」というような言葉があるのですが、アテネはトライアル&エラーで色々なやり方を試してくださって、勉強法が合うまで探してくださるところが他と違うと思います。
色々考えて下さるので、子どもの勉強に対して迷うことが少なかったなと思います。
また、季節の行事や科学の講習会や理科実験イベントがあるところも特徴だと思います。
どのイベントも子供だましじゃない本物が多かったと感じています。

―親御さんから見た、アテネという塾の良いところを教えてください。
子どもも小さな大人として見ているところです。
だから算数ではなく数学と言ったりしているのかな?と思ったりもします。
科学の講習会や理科実験イベントは、入り口は子どもが好きそうなものですが、理科や科学の知識が詰まっていたり、季節の行事はこうやって筍を取るのだと学ぶことが出来て、全部が本格的でした。
実験や筍掘りなど体験型の学習ができるのもアテネの魅力のひとつだと思います。

―有難うございました。

プロフィール

小5~小6

アテネで学習(小5の8月から小6の3月まで)

経歴

年長~小5

2017年~2022年6月まで親の仕事の関係でアメリカに滞在

2022年

7月 日本に帰国する

2024年

同志社国際中学校 入学