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プロフィール
1943年
- 12月台北生
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学歴
1962年
- 四日市高等卒業
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1966年
- 中央大学法学部卒業
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1968年
- 同大学院修士課程法学研究科卒業
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1974年
- 同大学院博士課程満期退学
法学修士・博士(法学) -
職歴
1974年
- 駒澤大学法学部専任講師
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1978年
- 同大学法学部助教授
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1986年
- 同大学法学部教授(2014年定年退職)
工学院大学兼任講師
中央大学法学部兼任講師
駒澤大学大学院担当教授 -
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1997年~
- 中央大学大学院兼任講師を歴任
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1998年
- 第二東京弁護士会所属弁護士
東京家庭裁判所調停委員(2014年まで)
卒業生の声
松村格さん(昭和37年卒)
西塚 直樹 先生へ
アテネ塾から授かった恩恵についてお便りします。
僕は、先代の茂雄先生の教え子で、昭和37年高卒の現在71歳です。6歳年上の兄に続いて小6頃に入塾しました。兄の頃は、養泉寺を間借りた教場でした。僕の頃は、駅西のドレスメーカー校舎の教室を借りた教場でした。
授業は、中学時代にかけて、算数が矢野健太郎著『数の生い立ち』と『図形の生い立ち』および茂雄先生著作の『定理集』による授業、英語は高岡先生著『初級総合英語問題集』の文法的授業と田村先生のリーディング中心の授業、国語が岩波少年少女文庫を教材にした高瀬先生と古文などを教材にした松岡先生の授業でした。
学校の教材にはない新鮮味があって楽しかったですが、どの授業でも、自分で考えることを重視されました。ですから、独自の意見を述べると、答えが正解ではなくても、「おっ! ええこと言うなあ〜」と先生から褒められました。
これがうれしくて、他人とは違ったことを自分で考えることが楽しくなりました。逆に、正答でも理由づけが薄弱だと合格点をもらえませんでした。結果よりもプロセスの「何故か?」の重要性を教えられたのです。この教育の効果は、直接に当時の学校成績には出ず、大学・大学院時代からようやく発揮され始め、やがて職業に活かされてきました。
僕の同期には、早逝した佐藤真功氏、松岡氏、黒田氏、水谷友二氏、西田氏、大川氏、豊田姉妹、紀平女史という面々がいました。1年先輩には、中学時代の僕らに数学授業を臨時担当した渡辺醇氏という秀才もいました。
僕は、中央大学の法学部に進学しました。当時、アテネ塾の財団法人化が必要となり、僕も協力することになりました。この関係で、当時の文部省にいた大先輩の遠山女史の助言を得たり、これまた大先輩の内藤恵介氏から種々の指導を受けました。他方、先輩の故森川重昭氏とも親しい交誼を得ましたし、1学年下の高瀬篤氏・渡辺正氏などとも同輩のごとく交流しました。この頃、今はなきアテネ会館が完成したのです。
その後、僕は、刑法学に興味を抱いて大学院に進学し、「自分で考え、自分の道を切り開け」というアテネ塾精神と茂雄先生の激励とを頼りに、刑法学という社会科学の領域に新風を入れる方法論を模索しました。そして僕は、月旅行の実現を可能にしたアメリカの数理学者ノバート・ウィーナー教授のサイバネティクス理論(情報の伝達と制御の理論・原典はプラトンの統治理論)を端緒に種々のシステム理論を刑法学に導入することを試み、この研究成果をまとめた拙著『刑法学方法論の研究』(440頁)により、母校中央大学から(法学)博士号を授与されましたし、刑法学会の長たる東大の平野教授から「前人未到の業績です」との賛辞を受けました。
最近、人間とロボットが事故を起こしたら誰が法的な刑事責任を負うのかという問題が出て来て、今秋に「ロボット法学会」が設立されるそうですが(本年6/3朝日新聞朝刊)、僕は、すでに昭和57年と昭和61年の論文で、人間とロボットが協働して犯罪を行った場合には人間の単独正犯なのかロボットとの共犯なのかという問題を提起しています。これは、法学(社会科学)と自然科学との学際的な問題です。
昨今の僕は、脳科学と刑事責任および刑罰について研究しています。刑法の世界では、刑罰は刑事責任(=非難)を前提とし、「どうして盗む意思行為をしたのですか」という非難(=責任)は、盗む決意も盗まない決意もできる自由意思を前提とするとされてきました。
ところが、昨今の脳科学は、人間には自由意思(精神・心)などはなく、全て物質である脳が決定していると言うのです。そうすると非難できませんし刑罰を科すことができません。でも、現実には各種の刑罰法規が存在してします。どう解釈すればよいのでしょうか。これが、僕の現在の研究テーマです。
社会科学も、自然科学(脳医学・物理学・生物学)そして哲学(認識論・経験論)や宗教学をも視野に入れなければならないのです。このような学際的な研究は、欧米では当たり前です。留学中に、ミュンヘン大学教授から「サイバネティクスと禅と刑法」について研究発表しないかと言われたことがあります。アテネ塾は、欧米では当たり前の教育を僕の少年時代からしてきているわけです。時代を超えた学際的なものの見方こそアテネ塾の精神だと思います。塾生諸君も、目先の結果よりも本質的な問題を長い目で問い続けてほしいですね。望ましい世界実現のためにも。
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活動
1979年
- ミュンヘン大学在外研究(1年間)
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1984年
- ミュンヘン大学在外研究(4ケ月)
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1986年
- ミュンヘン大学在外研究(6ケ月)
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1998年
- 最高裁判所図書館在外研究(1年間)
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2006年
- 駒澤大学図書館長(3年間)
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2011年
- 駒澤大学法学部長(2年間)
日本刑法学会会員
日本法哲学会会員
犯罪と非行に関する全国協議会会員(理事) -
主要著書
単著
- 『刑法学への誘い』
『日本刑法総論教科書』
『刑法学方法論の研究』
『システム思考と刑事法学』 -
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共著
- 『刑法総論』
『刑法各論』 -
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編著
- 『法学・憲法』
『法学と憲法学への誘い』 -
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共訳
- 『正義と平和』ミュンヘン大学教授アルトゥール・カウフマン著
『法システムー法理論へのアプローチ』オスロ大学教授T.エックホフ/N.K.ズンドビー著
森田好則さん(昭和40年卒)
一般財団法人アテネ会館
伊藤理事長様
本日アテネ会館から新年会のご案内をいただきありがとうございました。昭和40年大学入学しました森田好則です。昨年亡くなられました、桑名専明寺の箕浦恵了さんとはいとこです。残念ながら新年会は横浜にて子供達家族を迎える為、出席できません。
小学校5年生から高校3年生まで西塚先生を始め高瀬先生、松岡先生、高岡先生、田村先生等もう50年以上前に大変お世話になりました事を懐かしく思い出しました。
私は小学校から高校まで駅の近くのアテネに通っていました。今のアテネ会館ができましたのは大学1年か2年の時だったでしょうか。
早速当時夏休みに、西塚先生から生徒たちに化学の実験講座の先生役を依頼されたり、受験を迎える高校生の人達に数学の教育のお手伝いをした思い出もあります。
小職にとって思い出深いのは、西塚先生から「ピタゴラスの定義」の証明方法や六角形をたくさん考え議論した事、「数について」、「ゼロの発見」等の本を読みながら数学の本質とは何かをいろいろ学んだこと。初めて読んだ本が「ギリシャ・ローマ神話」だったこと、また、中学1、2年生のころ先生の指導のもと、芭蕉の「奥の細道」を何回も読んでその中に書かれている俳句をほとんど覚えてしまった事。
高校2年の夏に島崎藤村の「夜明け前」を読んで馬篭に行き、当時藤村が住んでいた近辺や一番弟子の住職さんから藤村が活躍した時の話を聞き、馬篭周辺をゆっくり散策した事、高校3年生の春、更級日記を5人のアテネ仲間で読み、先生から古文の読み方を指導いただいた事、高岡先生に英語の文法についてじっくり教えていただき、一方で田村先生の英語の教室では小学校時代から一切日本語を使わず英語で指導され学ばせて頂いた事、それが若い時から英語が話せるようなきっかけになったこと等、本当にたくさんの事をご指導いただきました。
当時塾生だった仲間がいまでも一番の友達として繋がりが続いています。
また、社会に入って学問や真理を追究する姿勢の本質をたくさん教えていただいた事から、触媒化学や高分子化学の分野でたくさんの仕事ができ、現在も世界をリードする技術の開発が行えたこと、英語が話せたおかげで、数年前まで6年間程米国に赴任し、いろいろな経験をさせていただいた事など数え上げればきりがないほどいろいろの経験をさせていただき、大変感謝しております。
また、案内の中にお願いとしてありましたので、小職が執筆を担当した本を下記に紹介したいと思います。
『新ポリマー製造プロセス』工業調査会 佐伯康治・尾見信三編 1994年5月初版
『高分子微粒子の最新技術と用途展開』シーエムシー出版 尾見信三、佐藤壽彌、川瀬進監修 1997年8月初版
『高分子微粒子の技術と応用』シーエムシー出版 尾見信三、佐藤壽彌、川瀬進監修 2004年2月普及版出版
何れも高分子の触媒、ポリエチレン、ポリプロピレンに関する項を執筆担当したもので、『新ポリマープロセス』は大学工学部の専門学部の教科書で結構使われていました。
以上です。
海外へ赴任していたこともあり、アテネを訪問する機会が長くありませんが、実家に戻った折など一度訪問したいと思います。現在アテネでご活躍されている皆様によろしくお伝えください。
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プロフィール
小5~高2
- アテネで学習
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高3 春休み
- アテネの古文の特別教育受講
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学歴
1965年4月
- 東工大 工学部 応用化学課 入学
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1971年3月
- 東工大 工学部 化学工学修士課程卒
大学4年の修士課程の間から、触媒工学・反応工学の研究室に所属 -
職歴
1971年4月
- 当時の三井石油化学(株)入社(総合研究所に配属)
固体触媒、ポリエチレン(PE)、ポリプレピレン(PP)用チーグラー触媒の研究開発に従事 -
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1979年
- PEやPPプロセス開発、製造技術開発に従事
日本を代表する特許技術の開発者として、低密度PE用触媒の技術が国から表彰。世界に紹介される -
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1980年
- 日本化学協会や石油化学工業会から受彰
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1981年
- 開発した技術を基にPE製造の仕事に従事
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1990年
- 当時最新のPE用触媒、製造プロセス開発の仕事をEXXON Chemicalsと共同で行う
三井石油化学の技術開発責任者として、最新の低密度PE製造プロセスの開発に従事 -
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1990年代後半
- 日本及び米国にそれぞれ大型の低密度PE製造プラントを建設。現在も世界を代表する最新鋭プラントとして稼働中。
さらに、大型プラントをシンガポールに建設。 -
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2003年
- 主に自動車材用ポリマーの製造会社責任者として米国へ赴任(〜2009年)
自動車内外装材PP樹脂の供給メーカーとして北米トップシェアの会社に成長。 -
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2009年春
- 帰国後、三井化学本社に戻り、国内外の安全・生産技術を指導する仕事に従事
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2012年春
- 退職
現在、三井化学グループ関係会社の技術顧問 -
主要著書
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- 『新ポリマー製造プロセス』
『高分子微粒子の最新技術と用途展開』
『高分子微粒子の技術と応用』