日々の気づき2 思考の深さと難問を整理する力

日々の気づきコラムでは、
日常の授業の中でのちいさな発見を
忘却録の意味もかねて
紹介していきたいと思います。

アテネの数学では、
難問を多く扱います。
どれもそれも、ぱっと瞬間的に解くと間違えるような問題です。

難問は、情報量も多く、複雑で、
そういった問題になれていない子は入塾したての頃は戸惑って手も足も出ないのですが、
考える時間を十分に取ってから、解説をする。
ということを繰り返すと、だんだん自分でも解ける力がついてきます。

解説では、難問の中の複雑な要素を、
図にしたり、表にしたり、箇条書きにして、丁寧にひとつずつ整理をしていきます。

そうすると、こんなに複雑で難しい、と思っていた問題の
核の部分は実にシンプルで、意外と分かりやすい、ということに気が付きます。

混濁している情報を整理するからこそ、見えてくる世界があり、
複雑に絡まった糸を解きほぐすと、シンプルな一本の糸にできることの楽しさを学びます。

このアテネの数学の授業に向いている子は、
授業の中で、「丁寧に情報を整理する」ことの大切さを学びます。

思考力の深さ、というのには、いくつもの考え方があると思いますが、
混濁した情報、複雑に見える事柄を、すっと分かりやすく清める。
(枝葉を取り除き、物事の軸(=核心)となる部分を見つけ出す)
こともひとつの要素になるかと思います。

物事の基本的なこと、
数学でいうと、定理や定義、公式ですが、
それを丸暗記するのではなく成り立ち(道筋)を理解して、
こうやって人々は世の中の様々な情報から法則性をみつけていったのだと
過程を腑に落とし込む。

そして、その基本的な情報を使って、
今度は複雑にからまった難問をときほぐして、一本の糸にする。

よく考えてから、話をしたり、行動したりする生徒さんの親御さんが、
「うちの子は、じっくり考えるタイプなので、
アテネが合うと思っていました。」
というお言葉を下さったことがあります。

お子さんの特性が、アテネの方向性と合う場合、
やはり環境が合うのか、能力が目に見えて伸びやすいです。

のんびりしている。
考えることが好き。
探求することが好き。
そんな子は、
じっくり自分で考える時間を取るので、
ああでもないこうでもないと時間いっぱい考えています。
時間ギリギリまで問題を解くことをあきらめない子は、
考える時間をしっかりとってあげることで、
忍耐力も集中力も伸びます。

お子さんの「特性」が「長所」に変わる瞬間の、
お手伝いができることも、仕事の中の喜びのひとつです。
また、そういった力をつけたい、と思っている子の力を伸ばすことも、
アテネの大切な役割であると思っています。


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2024年1月18日